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2000年代の僕らを熱狂させた、FreeBSDベースの格安VPS「VPS7.net」という伝説

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「VPS7」という文字列を見て、思わず「うわっ、懐かしい!」と声を上げてしまった人は、きっと2000年代半ばにゴリゴリとWebサイトを作ったり、自宅サーバーで遊んだりしていたギークに違いありません。
今でこそ、AWSやGCP、さくらのVPSなどで、1台の仮想サーバーを月数百円で手に入れるのは当たり前の時代になりました。しかし、2005年前後はまだ「共用レンタルサーバー」か「高価な専用サーバー」の二択が主流だった時代。
そんな黎明期に、彗星のごとく現れて一部のエンジニアを狂喜乱舞させたのが、FreeBSDベースの格安仮想専用サーバー「VPS7.net」でした。
今回は、あの頃のインターネットの空気感と共に、VPS7.netの思い出を振り返ってみたいと思います。

1. 「共用サーバー以上、専用サーバー未満」の救世主
当時の格安レンタルサーバーといえば、1つのOSの上に何百人ものユーザーが同居するスタイル。当然、root 権限なんてありませんし、誰かが重いスクリプトを回せば巻き添えを食らってサーバーが落ちるのが日常茶飯事でした。
そこに月額数百円という破壊的な安さで登場したのが「VPS7.net」です。
完全な仮想化(KVMやXenなど)が普及する前、このサービスが武器にしていたのが、FreeBSDの誇る高セキュリティな隔離環境「Jail(ジェイル)」でした。
「自分だけの擬似的なroot環境」が手に入る。
この自由度は、当時のWeb迷い人たちにとって、まさに砂漠のオアシスでした。
2. ギークたちの心を掴んだ「ちょっと尖った」仕様
VPS7.netは、とにかく「わかっている人向け」の玄人仕様でした。
  • 初期OSはFreeBSD 5.4あたり
    Linux(CentOSやFedora Core)が勢力を伸ばす中、頑なにFreeBSDベース。portsからソースビルドして環境を作る楽しさと苦しみが詰まっていました。
  • 初期状態のWebサーバーが「lighttpd」
    Apacheが絶対王者だった時代に、軽量・高速な lighttpdFastCGI の組み合わせを初期構成に盛り込んでいました。この「先鋭的なセンス」がたまりませんでした。
  • PostgreSQLを動かすための「おねだり」
    初期のJail環境では、セキリティの関係で共有メモリ(SysV IPC)が使えず、PostgreSQLがそのままでは動きませんでした。しかし、運営に「Postgres動かしたいです!」と要望を送ると、sysctl の設定をサッと変更して対応してくれるような、エンジニア同士の温かい距離感がありました。
3. あの頃、僕らがVPS7で動かしていたもの
自宅サーバーの電気代やファンの騒音に悩まされていた人たちが、こぞってVPS7に引っ越してきました。
  • 自作のPerl/CGIやPHPスクリプトの実験場
  • 黎明期のMovable Typeや、国産CMS(CMS Designerなど)の運用
  • IRCボットの常時起動
  • 身内向けのPukiWikiやWikiクローン
リソースは今のスマホの足元にも及ばないほどミニマム(メモリも数十MB〜100MB台の世界)でしたが、限られたリソースをいかにチューニングしてカリカリに動かすか、毎晩設定ファイルを書き換えては rehash していたものです。

まとめ:VPS7.netが教えてくれたこと
VPS7.netは、いつの間にか時代の波(LinuxベースのKVMやクラウドの台頭)に押されてサービスを終了していきました。
しかし、あの「月数百円で、インターネットの向こう側に自分だけの城(root)が持てる」というワクワク感は、間違いなく今のインフラ技術、そして僕たちのエンジニアリングの原点になっています。
今、クラウドのコンテナ技術(Dockerなど)を当たり前に触りながら、ふと「あ、これって昔VPS7でやってたJailみたいなもんだな……」と思い出す。そんなおじさんエンジニアが、日本のどこかに僕以外にもきっといるはずです。
VPS7.net、本当に良いサーバーでした。あの頃の運営さん、そして一緒にJailの中で夜更かししていた皆さんに、心からのリスペクトを。
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