こんにちは! 皆さんは学校の授業のあと、黒板を綺麗にするアレのことを何と呼んでいましたか?
「黒板消し」ですよね。
……と、大半の地域の方は答えるのですが、実は鹿児島県を中心とした一部の地域では、黒板消しのことを「ラーフル」と呼びます。これはかなり有名なご当地あるある(方言)で、鹿児島出身の方は上京するまで全国共通の標準語だと信じて疑わないケースが多々あります。
ところが最近、驚きの事実を知ってしまいました。 なんと、鹿児島から海を挟んで遠く離れた愛媛県の「松山」でも、黒板消しのことを『ラーフル』と呼ぶらしいのです!
宮崎県など隣接する県ならまだ分かりますが、なぜ九州の南端の鹿児島と、四国の松山で同じ言葉が使われているのでしょうか?この不思議な共通点の謎に迫ってみました。
🔍 そもそも「ラーフル」の語源とは?
気になって調べてみると、この「ラーフル」という言葉、実は日本語(方言)ではなくオランダ語が語源でした。
江戸時代、長崎の出島を通じて入ってきたオランダ語の 「raffel(ラッフェル:布のほつれ、ボロ切れの意味)」 が訛って「ラーフル」になったと言われています。 昔は黒板消しなんて便利なものはなく、使い古したボロ布で文字を消していたため、その布のことをラーフルと呼んでいた名残のようです。
明治時代初期の文部省の教材カタログのような記録にも、しっかりと「ラーフル(黒板擦り)」と記載されていたため、元々は全国の学校で使われていた「最先端の業界用語(標準語)」だったのです。
🗺️ なぜ鹿児島と松山に残ったのか?
全国で使われていた言葉が、なぜか東京や他の地域では廃れ、「鹿児島」と「松山」という離れた場所にだけピンポイントで生き残った。ここが一番面白いポイントです。
明確な理由は諸説ありますが、歴史的な背景として以下の共通点が挙げられています。
① 薩摩藩と伊予松山藩の繋がりや教育熱の高さ
明治時代、日本の近代教育を推し進める中で、オランダ由来の言葉をそのまま教育現場に定着させた熱心な指導者が両地域にいたのではないかと言われています。特に鹿児島(薩摩)は蘭学(オランダの学問)が非常に盛んだった地域であることも関係していそうです。
② 方言の「孤立変遷」
言葉の歴史では、「中央(東京など)で使われなくなった古い言葉が、地方の離れた場所にだけポツンと残る」という現象がよく起こります(方言周圏論に近い現象です)。 鹿児島も松山も、独自の文化や言葉を大切に守る気質があったため、明治時代の学校用語がそのまま令和の現在までアップデートされずに愛され続けた結果なのかもしれません。
📝 まとめ
「鹿児島だけの秘密の方言」だと思っていたラーフルが、まさか松山の学生たちにも「ラーフル取って〜」と日常的に使われていたなんて、なんだか遠い親戚を見つけたような不思議な嬉しさがありますよね。
隣の県なら文化が混ざるのも分かりますが、海を越えた松山と同じ言葉で繋がっているなんて、まさに歴史のロマンです。
もし松山出身の方や鹿児島出身の方と出会う機会があったら、ぜひ「黒板消しのこと、何て呼んでた?」と一言振ってみてください。高確率で「えっ、ラーフルだけど!?」と、めちゃくちゃローカルな会話で盛り上がれるはずですよ!
