検証環境
今回の確認対象は Rocky Linux 10.2(Red Quartz)です。稼働カーネルは 6.12.0-211.49.1.el10_2.x86_64 でした。
今回確認した差分
前回保存した監視値と今回の値を比較したところ、Rocky Linux のバージョン、稼働カーネル、主要パッケージの記録に変化はありませんでした。
そこで今回は、Rocky Linux 10で実務上影響しやすい仕様変更として、旧来のifcfg-rhネットワークスクリプトが利用できなくなり、NetworkManagerを使う構成へ一本化された点を取り上げます。Rocky Linux公式リリースノートでは、9系ですでに非推奨だった旧ネットワークスクリプトが、10では利用できないと説明されています。
RHEL/Rocky Linux 9系との違い
- Rocky Linux 10では、
/etc/sysconfig/network-scripts/配下のifcfg-形式のファイルはサポート対象外です。 ifup、ifdownなどの旧コマンドは利用できません。- ネットワーク設定はNetworkManagerが管理し、設定ファイルの保存先は
/etc/NetworkManager/system-connections/です。 - 設定や状態の確認には、NetworkManagerの標準ツールである
nmcli、nmtui、nmstateを使う方向になります。
つまり、Rocky Linux 9系で旧形式の設定ファイルやスクリプトに依存している環境では、メジャーバージョン移行前に依存箇所を洗い出す必要があります。Rocky Linux公式文書は、9系から10系へのメジャーアップグレードをサポートせず、新規インストールを案内しているため、移行では既存設定をそのまま持ち込めるとは考えない方が安全です。
運用への影響
運用手順、構成管理、バックアップ、障害対応 runbook に ifup、ifdown、ifcfg-*、ifup-localなどが登場する場合は、Rocky Linux 10向けの確認手順と分けて見直す必要があります。特に、旧形式のファイルを配置するだけで反映される前提の自動化は、10系では期待どおりに動かない可能性があります。
一方、今回の確認対象では、NetworkManagerの nmcli コマンド自体は存在し、バージョンは 1.56.0-2.el10_2 でした。ただし、これはコマンドの存在とバージョンを確認した結果であり、設定変更や接続の再適用が正常に行えることを意味しません。
安全な確認方法と実施結果
今回実施したのは、パッケージとコマンドの存在・バージョンを読むだけの確認です。設定変更、接続の再適用、サービス操作、通信試験は行っていません。
rpm -q network-scripts
command -v ifup
command -v ifdown
command -v nmcli
nmcli --version
確認結果は、network-scriptsパッケージはインストールされておらず、ifupとifdownの実行ファイルも見つかりませんでした。一方、nmcliは /usr/bin/nmcli に存在し、バージョンは 1.56.0-2.el10_2 でした。これらは読み取り専用の確認であり、状態変更を伴いません。
実際にネットワーク設定を移行・変更する手順は、接続断や設定ミスにつながる可能性があります。この稿では変更コマンドを実行せず、仕様の紹介と事前確認に留めます。
要点
- 今回の監視値には前回との差分なし。
- Rocky Linux 10では、旧来のifcfg-rhネットワークスクリプトは利用できない。
- 旧コマンドや旧設定ファイルに依存する手順は、10系移行前に棚卸しが必要。
- 今回の読み取り専用確認では、旧パッケージ・旧コマンドは見つからず、
nmcliの存在とバージョンを確認した。

