Rocky Linux 10で変わったCPU要件
毎週、検証環境で稼働しているRocky Linux 10のバージョン変化を追いながら、Rocky Linux 9系との違いや、Rocky Linux 10内で追加・更新された特徴を1つずつ確認していきます。
初回のテーマは、x86_64環境のCPU要件です。2026年9月13日の監視基準値はRocky Linux 10.2(Red Quartz)、稼働カーネルは6.12.0-211.49.1.el10_2.x86_64です。今回は、システムへ変更を加えない読み取り専用のCPU互換性確認も実施しました。
Rocky Linux 9系と10系の違い
Rocky Linux 9.0の公式リリースノートでは、AMD/Intelの64ビット環境について、最小要件がx86-64-v2とされています。
一方、Rocky Linux 10ではx86-64-v3が配布物の基準になり、x86-64-v2以前のCPUはサポート対象外になりました。x86-64-v3は、おおむねIntel Haswell世代以降の命令セットを基準とした水準です。ただし、同じ世代名に見えるCPUでも対応状況が異なる場合があるため、型番や発売年だけで判断しないほうが安全です。
また、Rocky Linux 10ではx86_64向けの32ビット互換パッケージも廃止されています。古い32ビットライブラリに依存する業務アプリケーションがある場合は、OS移行前に64ビット版への更新や、互換環境を分離したコンテナ利用などを検討する必要があります。
なぜ移行前の確認が必要なのか
Rocky Linux 9が動いているサーバでも、CPUがx86-64-v3に対応していなければ、Rocky Linux 10を同じ機器へそのまま導入できるとは限りません。特に古い物理サーバや、仮想CPUの互換モードを低く設定した仮想マシンでは注意が必要です。
Rocky Linuxはメジャーバージョン間のインプレースアップグレードをサポートしておらず、9系から10系へ移る場合は新規インストールが推奨されています。CPU互換性だけでなく、バックアップ、アプリケーション、ミドルウェア、ネットワーク設定を含めた移行計画が必要です。
安全な確認方法と実施結果
Rocky Linux公式ドキュメントでは、Rocky Linux 9やFedoraなどの起動可能なLinux環境で、次の読み取り専用コマンドを使う確認方法を紹介しています。
/lib64/ld-linux-x86-64.so.2 --help | grep x86-64
出力のx86-64-v3に(supported, searched)が付いていれば、Rocky Linux 10が求めるx86-64-v3をCPUが利用できると判断できます。表示されなければ、Rocky Linux 10の導入先としては適合しません。
今回は検証環境でこの読み取り専用コマンドを実行し、次の結果を確認しました。
x86-64-v4
x86-64-v3 (supported, searched)
x86-64-v2 (supported, searched)
x86-64-v3 (supported, searched)が表示されたため、この環境ではRocky Linux 10の基準を満たしています。コマンドは設定やサービスへ変更を加えていません。別の移行対象機で確認する場合は、仮想化基盤がCPU機能をマスクしていないかも併せて確認してください。
今回の要点
- Rocky Linux 9のx86_64最小要件はx86-64-v2。
- Rocky Linux 10ではx86-64-v3が基準。
- Rocky Linux 10ではx86_64向け32ビット互換パッケージも廃止。
- 9系から10系への移行は新規インストールが推奨される。
- 古い物理機や仮想CPUでは、移行前にCPU互換性を確認する。
確認元
仕様やサポート状況は更新されることがあります。実際の導入前には、利用時点のRocky Linux公式情報を改めて確認してください。

