JP1/AJSで日々のジョブ運用を設計する際、非常に重要なのが「遅延監視」の設定です。
「バッチ処理が長引いて、翌朝のオンライン業務開始に食い込みそうになったらアラートを飛ばしたい」といった場面で大活躍します。
しかし、JP1の終了遅延監視には2つの異なる設定アプローチがあるため、「どっちを使えばいいの?」と迷う方が少なくありません。
今回は、それぞれの監視パターンの違い、メリット、具体的な設定手順を分かりやすくまとめました!
🔍 2つの「終了遅延監視」の違いとは?
JP1/AJSには、終了遅延を検知するアプローチとして以下の2種類が用意されています。
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実行所要時間による監視(かかった時間ベース)
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スケジュール(日時指定)による監視(ターゲットの時刻ベース)
| 比較項目 | ① 実行所要時間による監視 | ② スケジュールによる監視 |
| 監視の基準 | 実際にジョブネットが動き出してからの時間 | カレンダー上の時間・時刻 |
| こんな時に便利 | 毎日の開始時刻がバラバラだけど、「処理自体が長引いていること」を検知したい時。 | 毎日決まった時間(例:朝7:00)までに必ず終わらせなければならない時。 |
| 設定場所 | ジョブネット全体の「プロパティ」 | ルートジョブネットの「スケジュール定義」 |
🛠️ パターン1:実行所要時間による終了遅延監視
ジョブネットが 「開始してから終了するまでの純粋な処理時間」 を監視する方法です。
例えば、「開始が前後してもいいが、回り始めてから30分以上かかったら異常」と判断したい場合に適しています。
設定手順
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対象のジョブネットを右クリック ➔ [プロパティ] を開きます。
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[定義] タブを選択します。
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[ジョブネット監視] の項目にある [実行所要時間] にチェックを入れます。
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許容する最大処理時間を 「分」 単位で指定します(例:
30分)。
💡 ポイント
この設定は、ジョブネットの「器(定義)」そのものに紐づくため、スケジュールが複数ある場合でも、すべて「起動してからの経過時間」で一律に監視されます。
🛠️ パターン2:スケジュールによる終了遅延監視
特定の「時刻」をデッドラインとして設定し、それを超えたら遅延とみなす方法です。
指定の方法には「絶対時刻」と「相対時刻」の2種類があります。
設定手順
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ルートジョブネットの [スケジュール一覧] 画面を開き、設定したいスケジュール行をダブルクリック(または編集)します。
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ダイアログ内の [遅延監視] タブを開きます。
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[終了遅延監視] の項目で、以下のいずれかを選択して指定します。
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「絶対時刻」で指定する場合:
07:00のように、何時何分までに終わるべきかを時計の時刻でダイレクトに指定します。 -
「自ジョブネットの開始予定時刻からの相対(分)」で指定する場合:
「開始予定時刻」を起点として、そこから何分後に終わるべきかを指定します(例:開始予定が 22:00 で、相対
120分と指定すれば、24:00 が監視時刻になります)。
⚠️ 注意点
「相対(分)」で指定する場合の起点は、あくまで**「開始予定時刻」です。もし先行ジョブの遅延などが原因で実際の開始が遅れたとしても、デッドラインの時刻は後ろにズレません**。そのため、開始遅延の煽りを受けて終了遅延が誤検知されることがあります。それを避けたい場合は「パターン1(実行所要時間)」を使いましょう。
📝 まとめ:どちらを採用するべきか?
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「開始時間は日によって流動的だけど、処理自体の異常な長引きを検知したい」
➔ パターン1:[プロパティ] – [定義] – [実行所要時間] を使う。
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「何時に始まろうが関係ない。とにかく朝の〇〇時までに終わらないと業務影響が出る!」
➔ パターン2:[スケジュール] – [遅延監視] – [絶対時刻 / 相対(分)] を使う。
運用要件に合わせてこの2つを正しく使い分けることで、「本当にアラートが欲しいタイミング」を正確にキャッチできるようになります。設計書のパラメーターシートを作る際は、どちらの設定箇所を指しているのか明確に区別して記載してくださいね!
