毎朝七時の集計が、午後四時に始まるようになった。cron式は変わっていない。ホストはJSTだが、新しいコンテナイメージにはタイムゾーンデータがなく、UTCで動いていた。
律はホスト、コンテナ、アプリ、DB、監視画面の時刻を一枚へ並べた。同じログ行でも表示基準が違い、前後関係まで誤って見える。瀬名は以前のNTP障害を思い出し、今回は同期だけでなく表記の問題だと理解した。
二人は内部処理と保存をUTCへ統一し、運用画面と通知にはタイムゾーンを明記した。スケジュール定義には基準時刻を必須にし、夏時間のある地域を含むテストも追加する。
修正後、翌朝の実行予定は `07:00 JST / 22:00 UTC` と二つ並んだ。誰が見ても同じ瞬間を指す。
「待ち合わせも、これくらい明確なら事故になりませんね」と律が言った。
瀬名は冗談にせず、カレンダーを開いた。「最終メンテが予定どおり終わったら、その日の朝。駅前の店。障害対応ではなく朝ご飯。どうですか」
律は予定を確認し、招待を承認した。「切り戻した場合は延期。徹夜明けで無理もしない」
条件つきでも、初めて仕事の外に二人の予定が入った。
人物紹介
瀬名悠真
- 男性、30代
- サーバ運用・インフラ担当
- 手は動くが、初動で少し焦りやすい
久坂律
- 女性、30代
- 監視、自動化、ログ解析、運用設計に強い
- 冷静で、原因調査の順序を大事にする
