JP1/AJSの運用において、ジョブ定義のバックアップや別環境への移行のために行う「ジョブグループの退避(ajsexport 相当の機能)」。
JP1ビューアーの画面からGUIでサクッと実行できて便利ですが、「画面のどこを選択した状態で退避メニューを開いたか」によって、中のジョブネットが自動で含まれるかどうかが変わるという絶妙な仕様があるのをご存知でしょうか?
「退避したはずなのに中身が空っぽだった!」という大惨事を防ぐために、選択場所による挙動の違いをまとめました。
❌ パターン1:【要注意】「左ペイン」でジョブグループを選択した場合
画面の左側にあるツリー表示(左ペイン)で対象のジョブグループを選択し、右クリックメニュー等から「退避」を選んだ場合の挙動です。
-
挙動: 「退避の対象」リストが空っぽ(または不完全)の状態でダイアログが開きます。
-
結果: そのまま退避を実行すると、直下のジョブネットが含まれません。中身を一切合切バックアップしたい場合は、ダイアログ上で中のジョブネットを「個別に対象へ追加」していく必要があります。
なぜこうなる?
左ペインでの選択は、あくまで「その階層のフォルダ(グループ)自体」にフォーカスしている状態です。JP1側は「グループの枠組みだけを退避したいのかな?」と解釈するため、配下のオブジェクト(ジョブネットなど)を自動で退避対象に含めてくれないのです。
階層が深いジョブグループだと、中身を一つずつ手動で追加しなければならず、作業漏れ(バックアップ漏れ)のリスクが非常に高くなります。
⭕ パターン2:【推奨】「メインペイン」で同じジョブグループを選択した場合
画面の右側にある広い一覧表示(メインペイン、または右手前のリスト)で、対象のジョブグループを選択して「退避」を選んだ場合の挙動です。
-
挙動: ダイアログを開いた時点で、「退避の対象」に最初から対象のジョブグループが自動で追加された状態になります。
-
結果: 一番上のジョブグループが指定されているため、中にある下位のジョブネットやジョブもすべて含まれた状態で丸ごと退避されます。
なぜこうなる?
メインペインでオブジェクトを選択することは、「このオブジェクト(およびその内包データすべて)を操作対象とする」という意味合いになります。そのため、一番上のグループを選択するだけで、配下の一切合切を自動的に巻き込んでバックアップファイルを作ってくれます。
操作の手間もかからず、中身の「含め忘れ」が発生しないため、実務での退避作業はこちらが絶対の正解です。
📌 まとめ:退避は「右側(メイン)で選ぶ」と覚えよう
一見、同じジョブグループを選んでいるように見えても、JP1の中では以下のように処理が変わります。
| 選択する場所 | 退避ダイアログ初期状態 | 中のジョブネットは含まれるか |
| 左ペイン(ツリー側) | 空っぽ(個別追加が必要) | ❌ 追加しないと含まれない |
| メインペイン(右側一覧) | 最初から追加されている | ⭕ 自動で全て含まれる |
「退避後にインポートしてみたら、ジョブグループの箱だけで中身のジョブネットが全部消えていた……」というホラー現象を避けるためにも、『JP1の退避はメインペインの右側で選んでから実行する』という鉄則を運用手順書に刻み込んでおきましょう!
