仮想マシンの容量が足りなくなったとき、WindowsやLinuxなどのゲストOSを起動したまま、バックグラウンドでサクッとディスク容量を増やす「オンラインディスク拡張」。業務を止めずにメンテナンスできる非常に便利な機能ですよね。
しかし、ESXi 5.5.x、6.0.x、6.5.x といった環境において、「2TBを超えるサイズへの拡張」を行おうとすると、思わぬ制限にぶつかることになります。
結論から言うと、「2TBを超えるディスク拡張は、仮想マシンがパワーオフ(停止)状態のときしかサポートされない」という厳格な仕様があります。詳細な中身を見ていきましょう。
🚨 公式ナレッジ(KB 2058287)が示す2つのルール
VMwareの公式ナレッジベース「VMware ESXi 5.5.x, 6.0.x, 6.5.x での 2 TB を超える仮想マシン ディスクのサポート (2058287)」では、大容量ディスク(最大62TBのVMDK)の取り扱いについて、以下のように明確に区別されています。
VMware ESXi 5.5.x, 6.0.x, 6.5.x での 2 TB を超える仮想マシン ディスクのサポート (2058287)
ルール1:新規作成はオンラインでもOK
仮想マシンがパワーオン(起動中)であっても、パワーオフであっても、新しく「3TB」や「5TB」といった2TBを超える仮想ディスク(VMDK)を新規に追加・作成することは可能です。
ルール2:2TB超への「拡張」はパワーオフが必須(★ココが罠)
すでに存在する仮想ディスクを拡張して、最終的なサイズが2TBを超える(あるいは元々2TB超のディスクをさらに増やす)場合、仮想マシンがパワーオフの状態でしか拡張できません。
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⭕ 1.5TB ➔ 1.9TB への拡張: パワーオン(オンライン)で実行可能
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❌ 1.5TB ➔ 2.5TB への拡張: パワーオフ(オフライン)が必須!
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❌ 3.0TB ➔ 4.0TB への拡張: パワーオフ(オフライン)が必須!
もし仮想マシンを起動したまま(パワーオン状態)で2TBを超えるサイズへと設定を変更しようとすると、vSphere Clientなどの画面でエラーが表示されるか、設定自体がグレーアウトして変更できなくなります。
🔍 なぜ2TB超の拡張には停止が必要なのか?
これは、ESXi 5.5から導入された新しいディスク形式(VMFS-5以降)および大容量VMDKの内部アーキテクチャの制限によるものです。
2TB未満のディスク(MBRなどで扱える範囲)と、2TBを超えるディスク(GPTパーティションが前提となる範囲)では、ハイパーバイザー(ESXi)側がディスクのセクタやブロックを管理する仕組みの切り替え、および内部的なメタデータの再構成が必要になります。
この大掛かりな変更を安全に行うため、ESXi 5.5〜6.5の世代では「一度仮想マシンのディスクへのI/Oを完全に止める(パワーオフする)」という安全弁が設けられているのです。
🛠️ 実務での影響と対策
この仕様を知らないと、ファイルサーバーなどの容量枯渇が迫った際、現場で大きな問題に発展します。
1. 「夜間・休日の計画停止」の調整が不可欠
業務時間中に「容量が足りないから今すぐ増やして」と言われても、2TBの壁を超える場合はシステム全体のサービス停止(メンテナンスウィンドウ)の確保が必要になります。ユーザー影響を見極め、事前にシャットダウンの調整を行いましょう。
2. スナップショットの有無にも注意
2TBを超えるディスクを扱う際、スナップショットが保持されていると拡張自体ができない、あるいは予期せぬエラーの原因になります。ディスク拡張を行う前には、必ず不要なスナップショットを削除(コミット)しておくのが鉄則です。
📝 まとめ
レガシーなESXi 5.5 / 6.0 / 6.5環境において、大容量ディスクを扱う際のゴールデンルールは以下の通りです。
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2TB超のディスクを「新しく作る」なら起動中でもOK。
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ディスクを増やして「2TBを超える」なら、仮想マシンの停止が絶対に必要。
「いつでもオンラインでディスクを増やせる」と思い込んでいると、いざ2TBの大台に乗せる際に見事に計画が狂ってしまいます。一世代前の環境を保守されているインフラエンジニアの方は、この「2TBの壁」と「パワーオフ必須」の仕様をぜひ設計・運用の手引きに組み込んでおいてくださいね!
